ある日気づいたら、子供の親指が曲がったまま伸びない…
最初は冗談かな?って思いますよね。
よく言葉で状態が説明できない、小さなころに発現する症状ですから。
私も最初は『なーに言ってんの』っと、真剣に子供の話を聞きませんでした。
息子の親指が伸びなくなったのは年中の夏。
普段からおちゃらけて、冗談ばかり言って笑わせてくれる子だったので
「ゆびのびなーい」と言われても、ついついいつもの冗談と思い
サラリと流してしまったのです。
その状態をはっきりと確信したのは、指相撲で遊んでいた時。
最初は右手で指相撲をし、次に左手で対戦をしたのですが
右だと結構いい勝負だったのに、左でやると私が即勝ちしたのです。
「やった~!ママの勝ち~」
と大げさに喜んだら、負けず嫌いの息子がムッとして
「だって左の親指動かないんだもんっ」
なーに言ってんの~負け惜しみして~と笑う私に
ほら!と手を見せる息子。
…え、まじなの?
え?いつから?
生まれつき?
いやいや、ずっとお世話してきたけど、前はそんなことなかったはず。
「痛い?」と聞きながら、ゆっくり指を引っ張ってみても
がっちりと固まった指は伸びず…
とりあえず心配させないように平静を装って、息子を幼稚園に送り
そこから必死に調べ始めました。
子どものばね指とは
生まれつき指が曲がっている子はまれで、大半は指の動きが安定してくる1~2歳以降の幼児期に発症するそうです。
親指を曲げ伸ばしさせる腱の太くなった部分が、靭帯性腱鞘に引っかかってしまい、動かせなくなってしまった状態だとか。
親指の2つの関節のうち、付け根側の関節が伸びない場合は握り母指
親指の先の関節が伸びない場合は強剛母指と呼ばれ区別されています。
強剛母指の場合は、親指の付け根にしこりが確認できるようですが
素人の私にはいくら触っても、どれがしこりか判別できませんでした。
小児ばね指の手術は全身麻酔なのですが
1~5歳の子供に全身麻酔は危険・患部が小さくて難しいなどの理由から
小学校に上がる前までに治らなければ手術と診断するのが、最近の傾向。
どのサイトを見ても、大半が5~6歳までに自然治癒すると書かれていて
それまで半年ごとに経過観察するのがよし、とされています。
小児ばね指 我が家の経過
散々調べて、不安になったり、安心したり、泣きたくなったり。
子供の将来や成長を思うと、色々考えてしまいますよね。
一体いつから曲がっていたんだろう
何が原因なんだろう
ずっとこのままだったらどうしよう
グルグル悩みながら、とりあえず近所の整形外科を受診しました。
レントゲンを撮り、先生に呼ばれ子供と一緒に問診。
「いつからこうなってた?」
「何か心当たりあります?」
とポツポツ質問され
「ニンテンドースイッチいっぱいした」という息子の答えに苦笑いして
「ゲームいっぱいしちゃったか~。それは少し時間減らした方がいいかもな~」
と話しながら、息子の親指の付け根を揉んで確認。
そして
「小児ばね指でしょうね」の一言。
…うん…やっぱりね…
「ほっとけば大体治るけど、万が一治らなかった場合は手術が必要だから。その時のために、一回詳しい先生に診てもらった方がいいね。」
とのことで、大きな病院への紹介状を書いてもらいました。
病院で言われたのは全て事前に調べて知っていたことばかりだったので
原因も、対処法も分からず、何一つ不安が解決されないまま
モヤモヤとした気持ちで大きな病院の予約を取り、数日後。
大きな病院でも同様にレントゲンを撮り、親指の付け根を触り
「強剛母指ですね」と同様の診断を受けました。
「今息子さんは5歳ですので、まだ手術は出来ません。手術が可能になるのは大体7歳頃です。とはいえ皆さん大半の方が、小学校入学前に自然と治っているんですよ。
小学校入学前…来年になってもまだ治っていなかったらもう一度診せに来てください。」
とだけ説明され、大きな病院も終了。
2件の病院にかかって得られたのは
・小児ばね指(強剛母指)だという診断
・少なくとも来年までは様子見
だということ。
今改めて振り返ると
小児ばね指の原因は不明で、大半が自然治癒することから
その対処が適切だった事は理解できるのですが
当時は何が原因だったのか、少しでも早く治るように方法が無いか知りたかったので
一年様子見、という判断に
とてもガッカリした気持ちで帰ったのを覚えています。
一方息子はというと
親指は動きませんでしたが、利き手ではなかったこともあり
生活に大きな支障は無いようでした。
ボール投げも縄跳びも食事も普通に出来ていましたし
本人も悲観的にならずケロッとしていてくれたことが救いでした。
もちろん、本人が気にし過ぎないように、私達も息子の前では極力深刻な顔をしないように、気にし過ぎないように努力しました。
起きてる間は「小学校に上がる前には大体治るらしいよ~。治らなければ手術するだけだから、大丈夫大丈夫(笑)」と軽く話題にしつつ、寝てる間にそっと指を観察する日々…(笑)
本当に治るの?と思いながら過ごすこと半年以上
「ママ、見て」と息子。
まっすぐ伸びた親指。
「え…っ、治った⁉」とびっくりして観察すると
引っかかるような、カクンと不自然な動きは混じるものの、曲げ伸ばしできるようになっていました。
しかし数回曲げ伸ばしすると、また曲がったまま。
よく息子に話を聞いてみると
「たまに、何か調子いいなって思う時があって、そういう時に伸ばしてみたら動く。ちょっとしたら戻っちゃうけど」
とのことで、全く動かなかった指に変化が出てきた様子。
少しづつ少しづつ、曲げ伸ばしできる頻度が増えて行って
私も下の娘を出産し新生児育児でバタバタになり
コロナで世界がぐちゃぐちゃになり
外出自粛でずーっと子供と家にいるカオスを乗りきる頃には
いつの間にか治ってました(は?)
や、ほんと途中、生きるのに精いっぱいで気に掛ける余裕もなくて記憶が…
でも本当に、小学校に上がる前に治ったんです。
治らなかったら1年後おいで、と言われていましたが
結局治ったので行かなくて済みました。
治った後も一度診せに行った方がいいかと悩みましたが
コロナで医療ひっ迫を起こしている頃だったので、行くのをやめました。
それから4年、後遺症もなく息子の手はきちんと動いています。
今現在、お子さんの指が動かず不安な日々を過ごしている方
原因も分からず様子しか見れない日々は辛いですよね…
本当に治るのか、治った後も後遺症が残らないかなど、悩みは尽きないと思いますが
どうか心配し過ぎず経過を見守ってくださいね。
早くお子さんの指が元通り動くようになりますように。
私が不安で検索しまくっている時、実際にお子さんが小児ばね指になったり、その後どうなったか書いてるブログが見つからず
みんなきちんと治るのか不安だったので、思い出してその後の経過も含めて日記にしてみました。
私の小さな経験が、誰かの安心になりますように。
最後まで読んで下さりありがとうございました